ここ最近野鳥を撮ることが多くなりました。
今まで野鳥撮影に使用していたレンズは「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7Ⅱ」で、35mm換算値で焦点距離150-600mmの望遠撮影が可能でした。
でも野鳥って小さいし、近寄ると逃げちゃうので、遠くから撮影することも多くなります。
そうすると600mmのレンズだと、ちょっと距離が足りないなって感じることもしばしば。
離れた野鳥ももう少しはっきりくっきり撮れたらと思い、「M.ZUIKO DIGITAL ED 100-400mm F5.0-6.3 IS」を購入してみました。
いろいろ迷ったんだけど、35mm換算値で800mmの望遠撮影が可能になるし、「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7Ⅱ」よりも画質が上がると評判だったのでこれ決めました。
今回の記事では「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7Ⅱ」から撮れる写真がどれくらい変わったのか、レンズを使用した感想などを中心に書いて行こうと思います。
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レンズの特徴
主な仕様
- 焦点距離
100-400mm(35mm判換算200-800mm相当) - 最短撮影距離
1.3m(ズーム全域) - 最大撮影倍率
0.09倍(Wide)/ 0.29倍(Tele) - 最大口径比
F5.0 (100mm) – F6.3 (400mm) - 最小口径比
F22 - 手ぶれ補正性能
レンズ手ぶれ補正時 3段補正 - フィルターサイズ
⌀72mm - 長さ
205.7mm - 重さ
1,120g (三脚座除く)/ 1,325g (三脚座含む)
詳しい仕様については、公式ページの方を見てみてください。
このレンズの特徴は次のとおり。
レンズの特徴
- 超望遠撮影が出来る
- 防塵防滴仕様
- スタンダードモデルのレンズにしては画質が良い
- 超望遠レンズとしては小型
- レンズ内手振れ補正が付いてる
- 暗めのレンズ
それぞれの特徴について少し説明していきます。
超望遠撮影が出来る
レンズ本体だけでも焦点距離100~400mmの望遠撮影が可能。
400mmというと35mm換算値で800mmなので、これだけでもかなり大きく撮ることが出来ます。
さらにこのレンズには1.4倍と2倍のテレコンバーターも装着することが出来て、2倍のテレコンバーターを装着した場合、35mm換算値で1600mmの超望遠撮影が可能となっています。
遠くのものを撮影する時にすごく威力を発揮するレンズです。
防塵防滴仕様
オリンパスのカメラの特徴で防塵防滴が強いというのがあります。
雨や砂埃が舞う中で撮影しても壊れにくい仕様になっているんですね。
スタンダードクラスのレンズだと、その防塵防滴仕様が施されていないのが多いのだけど、このレンズはスタンダードクラスのレンズにも関わらず防塵防滴仕様になっています。
なので、悪天候時の野鳥撮影なんかにも持って行きやすいレンズとなっています。
ちょっとでも雨が降ってくるとカメラが心配になるけど、その心配をせずに撮影が出来るのは嬉しいですね。
画質が良い
同じスタンダードクラスの望遠レンズに「M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 II」というレンズがあるんだけど、そのレンズに比べるとかなり画質がアップしていました、
この記事の後の方で撮れた写真を比べますが、パッと見た感じで画質の違いがわかると思います。
ネットでいろいろ調べている時に、PROレンズに近い画質の写真が撮れるって評価している方もいましたが、大げさではないなという印象です。
75-300mmのレンズの画質に満足してない人にはおすすめ出来ます。
望遠レンズとしては小型で軽量
このレンズ本体の大きさは⌀86.4×205.7mmとミラーレス一眼のレンズとしては小さくはありません。
でもフルサイズのカメラの望遠レンズに比べると小型で軽量になっています。
レンズフードを付けるとこんな感じの大きさ。
400mmの望遠時にはこれだけレンズが伸びます。
うーん、結構長い(笑)
だいたい32cmくらいの長さです。
これでも野鳥撮影に行くとよく見かけるバズーカ砲みたいなレンズに比べると小型かな。
三脚台座を付けた状態でも1325gで本体と合わせても1899gなので、手持ち撮影も出来ちゃうのが便利です。
ずっと構えていると疲れるけど(笑)
E-M1 MarkⅡに装着するとこんなイメージですね。
三脚にセットしない時は三脚台座を上向きに装着しておくと、そこが持ち手になって持ち運ぶとき便利です。
本体とレンズで2kg弱なのでずっと持っていると疲れますが、三脚担いで移動してる人たちに比べると起動性に優れるとは思う(笑)
この大きさで800mm(35mm換算値)の望遠撮影が出来るって優秀だよね。
レンズ内手振れ補正が付いている
このレンズにはレンズ内手振れ補正機能がついています。
望遠撮影時はどうしても手振れが起きやすいんだけど、それを抑えてくれます。
手振れ補正は3段補正。
一部のPROレンズについている5軸シンクロ手振れ補正には残念ながら対応してません。
これに対応してたら強力な手振れ補正が得られたんだけどね。
さすだにスタンダードモデルのレンズにはつかなかったみたい。
それでも3段分のレンズ内補正があるおかげで、800mm(35mm換算値)の望遠撮影も手持ちで行うことが出来ます。
三脚なしで撮影出来るのは、公園散策する時とかほんと便利ですよ。
解放F値が6.3と暗めのレンズ
このレンズの開放F値は5.0-6.3と大きめです。
森の中や夕暮れ時など、薄暗いところでシャッタースピードを上げるとISO感度が上がっちゃいます。
なので、暗い場所で飛翔や動いてる鳥や動物を撮る時には不利なのかもしれません。
動き物をメインで撮ろうと思っている人には、ちょっと物足りないレンズになるかも。
ただこの焦点距離でもっと明るいレンズをとなると、値段も爆上がりしちゃうんですよね(苦笑)
ちなみに明るい場所で撮影する場合は、特に問題ないです。
オリンパス望遠レンズの比較
オリンパスのミラーレス用に発売されいている望遠レンズを比較表で比べてみました。
望遠レンズを購入する際の参考にしてみてください。
レンズのクラスについて
オリンパスのレンズには、スタンダード、プレミアム、プロの3つのクラスのレンズがあります。
スタンダードは、小型軽量で価格もリーズナブルなレンズが多くなっています。
プレミアムは、単焦点レンズのスタンダードなモデル。
プロは、プロ仕様のレンズで価格も高いですが、画質はかなり良くなっています。
600mm(35mm換算値)クラスの望遠レンズは、スタンダードとプロから出されています。
それらをピックアップして比較してみます。
オリンパス望遠レンズのラインナップ
75-300mm F4.8-6.7Ⅱ | 100-400mm F5.0-6.3 IS | 40-150mm F2.8 PRO+MC-20 | 300mm F4.0 IS PRO | 150-400mm F4.5 TC1.25x IS PRO | |
焦点距離 | 75-300mm | 100-400mm | 80-300mm | 300mm | 150-400mm |
最短撮影距離 | 0.9m / 1.5m | 1.3m | 0.7m | 1.4m | 1.3m |
最大撮影倍率 | 0.18倍 | 0.09倍 / 0.29倍 | 0.42倍 | 0.24倍 | 0.12倍 / 0.29倍 |
最大口径比 | F4.8 - F6.7 | F5.0 - F6.3 | F5.6 | F4 | F4.5 |
最小口径比 | F22 | F22 | F22 | F22 | F22 |
レンズ内手振れ補正 | なし | 3段 | なし | 6段 | 8~6段 |
5軸シンクロ手振れ | なし | なし | なし | 4段 | 4.5段 |
防塵防滴 | なし | あり | あり | あり | あり |
テレコン装着 | 出来ない | 出来る | 出来る | 出来る | 出来る |
フィルターサイズ | Ø58mm | Ø72mm | Ø72mm | Ø77mm | Ø95mm |
全長 | 116.5mm | 205.7mm | 160mm+25.9mm | 280mm | 314.3mm |
重さ | 423g | 1,325g | 880g+150g | 1,475g | 1,875g |
価格(税別) | 63,000円 | 180,000円 | 205,000円+51,250円 | 420,000円 | 1,000,000円 |
オリンパスから出されている望遠レンズは上記となっています。
40-150mmPROに関しては2倍のテレコンバーターを装着したと想定して記入しています。
すでにテレコンバーターを装着しているので、これ以上焦点距離は伸ばせませんがPROレンズなので画質は良いと思われます。(使ったことないので実際にどの程度の写真が撮れるかは体験してません)
価格は希望小売価格で、実際にはもっと安い値段で買うことが出来ると思います。
性能と価格を見比べて自分に合った望遠レンズを選ぶと良いと思います。
75-300mmとの比較
元々僕が使用していたのは75-300mm F4.8-6.7Ⅱで、今回100-400mm F5.0-6.3 ISを使ってみて感じた75-300mmとの違いを紹介していきます。
使ってみた感じは以下のような印象を受けました。
75-300mmとの違い
- 被写体が大きく撮れる
- AFが速くなった
- 画質が良くなった
- 防塵防滴仕様になった
- デカくて重くなった
- 値段が高い
被写体が大きく撮れる
これは焦点距離が300mmから400mmに伸びてるので当たり前のことですね(笑)
75-300mmにはテレコンが付けらないので300mm止まりですが、100-400mmにはテレコンも付けられるので、焦点距離にはかなりの差が出ます。
特に野鳥撮影時には焦点距離は長い方が何かと便利なので、このメリットは大きいです。
AFが速くなった
75-300mmは言ってみたら廉価版のレンズです。
AFに関してはそんなに速いってわけじゃ無く、フォーカスが迷ってシャッターチャンスを逃すことも少なくなかったです。
鳥にAFで合わせようとするとピントが甘いことも多く、マニュアルで微調整するなんてことも多々ありました。
でも100-400mmは、AFも速く感じるし、ピントの迷いも少なくなった気がします。
AFで合わせたあと、微調整をしなくてもピントが合ってることも多く、野鳥の写真が撮りやすくなりました。
AF性能に関しても野鳥や動物撮影時に、75-300mmよりも全然快適に使えますね。
画質が良くなった
これは後ほど両方のレンズで撮った写真を並べるのでそちらを見たらわかると思います。
一目瞭然で画質が良くなっています。
大きく撮れるのはもちろんなんだけど、それ以上に鮮明に撮れるようになりました。
特に離れた位置の被写体に大きな差が出てると思います。
防塵防滴仕様になった
75-300mmは防塵防滴仕様じゃないので、雨の日とかに使うのがちょっとためらうんですけど、100-400mmのレンズは防塵防滴仕様になっているので、多少の雨なら全然平気。
アウトドアに強い仕様になっているので、天気の悪い日にも持ち出しやすいレンズです。
デカくて重い
75-300mmの重さが400g強なので、約3倍の重さになっています。
75-300mmが軽くて持ちやすいレンズだったので、それに比べると重くてずっと持っていると疲れます。
肩も凝る。。。
75-300mmだったら登山にも持って行きやすかったんだけど、100-400mmは持って行こうと思わない(笑)
公園散策くらいだったら全然いいんですけどね。
なので、75-300mmも手放せずに置いてあります。
75-300は廉価版レンズのわりに綺麗な写真が撮れるしね。
嫁さんもたまに100-400を使って撮影をしますが、重くてずっとは持ってられないと言ってました。
でもまぁ、望遠レンズはデカくて重い物ですからねぇ。
その点は仕方のないことです(笑)
75-300mmの時は、カメラバッグ「パーゴワークス フォーカス」に収納出来てたんだけど、100-400mmは収納できなくなりました。
なのでカメラバッグも新調しました(笑)
こちらのバッグなら、100-400mmを本体に装着したまま収納することが出来ます。
値段が高い
100-400mmのレンズの方がメリットがたくさんあるんだけど、その分お値段もします。
75-300mmが現在3万円台で買えるのに対し、100-400mmは13~14万円台くらい。
かなり値段の差があるので、レンズ自体の性能も差があります。
そういう意味では75-300mmは安くて軽くて持ち運びがしやすいレンズで、それでいてそれなりに野鳥撮影も楽しめるので、コスパの良いレンズだと思います。
自分の撮影スタイルで買うものを決めると良いかも。
写真の比較
一番気になる撮れた写真の比較です。
いつも鳥を載せるときはトリミングを行って載せることが多いんだけど、今回は比較のためにトリミングせずに載せておきます。
ちなみにデータ容量の関係で、リサイズ等は行っています。
どちらの写真もE-M1 MarkⅡを使って撮っています。
僕と嫁さんで同じカワセミを同じくらいの位置で撮った写真で、ちょっとずれはあるけど撮れた写真の違いは分かると思います。
カワセミまでの距離は約10mといったところでしょうか。
100-400mmの方が大きく撮れているのは当たり前ですが、羽毛の質感もわかりやすくなってると思います。
離れた位置にいつ被写体に対しては、結構差が出ていると思います。
こちらは3mくらいの位置から撮ったカワセミ。
撮ったタイミングが違うのでポーズが異なっていますが、同じくらいの場所から同じカワセミを撮ったものです。
100-400mmが綺麗に撮れてるのはもちろんなんだけど、75-300mmの方も距離が近くなると綺麗に撮れるというのがわかります。
100-400mmと10万円くらの差がありますからね。
軽く野鳥撮影を初めて見ようかなって言う人には75-300mmから初めて見るのも良いかもね。
100-400mmで撮った写真の紹介
最後に100-400mmで撮った写真をいくつか紹介していきます。
この記事に載せているすべての写真は、写真の容量を小さくするためにリサイズと圧縮もかけています。
オリジナルのデータは、もうちょっと解像度が高くなっているんですが、スマホなどで見るくらいなら圧縮かけても大丈夫ですよね(笑)
なかなか綺麗な写真が撮れるレンズだと思います!
買って使った感想
使ってみた率直な感想は、買ってよかった!です。
今まで使っていた75-300mmのレンズよりも被写体が大きく撮れるし、何より画質が上がったのが嬉しい。
まだテレコンバーターを買ってないので、1600mm(35mm換算値)の超望遠撮影は体験してないけど、これから野鳥撮影に大きな武器になると思います。
やや重たくて、登山等には持って行こうと思えないんですが、その点は75-300mmと併用していこうと思います。
野鳥撮影に大きな威力を発揮するし、動物園での撮影でもとても重宝しました。
肉眼では見ずらい部分も見えちゃったりするので(笑)
すごくいいレンズだと思うので、僕的にはおすすめです!
野鳥撮影についてはこの本を参考にしています。
野鳥撮影の方法やマナーやルールなどが解説されていて、初心者におすすめの本です。